会社コンセプト

再生可能エネルギーへの転換

日本のエネルギー政策は、第一次オイルショック以降(1973年)、脱石油とエネルギー自給率向上から原子力発電の依存度を高め、2030 年には電力供給の約50%を原子力発電で賄うという基本方針で進められてきました。

しかしながら、2011年3月11日に起こった東日本大震災と福島原発事故は、日本のエネルギー政策を大きく変える歴史的な転換点となり、同年6月25日には東日本大震災復興構想会議「復興への提言~悲惨のなかの希望~」が公表されました。

その中で再生可能エネルギー(太陽光、風力、水力、バイオマス、地熱等)は、エネルギー源の多様化・分散化、地球温暖化対策、新規産業・雇用創出などの国策的観点から重要であるとして、その利用促進が提言されました。また、インフラの再構築にあたっては、先端的な「自立・分散型エネルギーシステム」を地域特性に応じて導入することが必要であるとされ、原発依存のエネルギー政策からの大転換が明示されました。

課題解決型のまちづくり

震災を契機に「災害に強く環境負荷の小さい地域づくり」が、わが国の喫緊課題となりました。3・11以降は、太陽光発電などの再生可能エネルギーの積極的活用や、利用者間で需要調整ができるスマートグリッド(次世代送電網)のインフラ整備が求められるようになったのです。換言すれば、原子力や火力などの“大規模集中型電源(非循環型)”から、太陽光や風力などの“小規模分散型電源(循環型)”に大きくシフトし、災害に強く低炭素の持続可能な地域づくりが必要とされるようになりました。

そのようなエネルギー政策の構造的な転機を踏まえ、我々は「自然エネルギー社会への転換を目指して、“創エネ・省エネ・蓄エネ”をコアとする設備構築とその運営を通じて、持続可能なまちづくりとスマートコミュニティの実現に貢献する」ことを主な事業目的とする、『合同会社さつま自然エネルギー』を設立することに致しました。その推進母体は、地元企業・行政・地元金融機関および市民等であり、地元関係者が主体となって自主的に当該地域を活性化し、課題解決型のまちづくりに発展させていくところに、その設立意義の特徴があります。

サスティナブル社会への実現へ

歴史を振り返れば、明治維新の3年前となる1865年4月17日、今から147年前の今日、ここ羽島浦から五代友厚、森有礼等「薩摩藩英国留学生」19人がイギリスに渡航いたしました。帰国後、彼らは様々な分野で新知識の先駆者として、祖国の近代化に大きく貢献し、その活躍が原動力となって日本が世界有数の国へと発展したことを考えれば、本エリアが明治維新の出発点になったと言っても過言ではありません。

この度の設立は、身を挺して明治維新を興した渡航留学生の気概を本合同会社の志とし、祖国再生のために地域の皆さんと共に「環境維新」を興そうというものであり、それゆえに設立日を敢えて羽島浦出航の4月17日とするものであります。

我々にとって環境維新にふさわしい活動とは、地域資源である太陽光などの再生可能エネルギー源を活用して、自立分散型エネルギーの地産地消を実現し、次世代の社会システムである「スマートコミュニティ」を構築し、地元企業や住民に安全・安心と快適・便益をもたらす新しいまちづくりを推進することであります。日本の多くの地方都市は、少子超高齢化、財政健全化、地域活性化の三大課題に加えて、エネルギー不足解決や環境問題を抱えており、いずれも深刻な事態に陥っています。本合同会社で推進するプロジェクトの成功が、全国地方都市の活性化モデルとして日本国内に拡散すると同時に、世界のサスティナブル社会の実現につながる重要な役割を果たすことを願うものです。